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〜バックナンバー(2003年1月号)〜

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バディの敏腕マネージャー

S氏CD紹介/2003年月号

協力:ケンロードミュージック

※CDに関する購入・お問い合わせは上記HPまで

 ひとこと

 このコーナーでは、内外の私一押しのCDを紹介していく。第一回の今回は、特にユニークなアーティスト発掘を行っているレーベル「ANY OLD TIME」から5枚を抜粋して紹介する。ただコメントしても面白くないので、「いつどこで聴くか」という切り口で、私の個人的な思い出なども絡めて書いていきたいと思う。皆さんの読後の感想をお待ちしている。(それによっては、今回でこのコーナー打ち切りということもあり得るかも?)


<朝食時>「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」

◆キヨシ小林&ウクレレ・スウィング・ギャング/AOCD-1203 紙ジャケット¥2500(税別)

 ウクレレといえばハワイ。しかし私はハワイに行ったことがない。しかしウクレレは持っているし、高木ブーがウクレレリストだということも知っている。その程度の私がコメントするのもおこがましい気はするが、このウクレレ、いい音出してる。それに選曲が良い。1曲目の「ペーパームーン」がスイングしただけで、もう私はオーケーだ。
 朝ベッドから抜け出し、新聞と牛乳を取って食卓へ。食パンをパンナイフで豪快に切ってトースターへ突っ込みスイッチを入れる。換気扇を回すのも忘れちゃならない(カミサンに怒られるからね)。おっと、何か足りないと思ったら朝のBGMがないじゃあないか。壁掛けプレイヤーのスイッチを入れると流れ出すのは・・・。
 そう、新聞片手にパンをかじり、コーヒーをすすりながら聴くのが正しい
「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」の聴き方なのであ〜る。そしてライアンとテータムのオニール父娘を思いだし、テータムは今どこで何をやっているのだろうと考えてみる。紙で作った月の上のシーンが印象的だった白黒映画。そうそう月といえばショーン・ペンの「ギター弾きの恋」もよかったなあ・・・などと一日の始まりのモーニングBGMに最適なのがこの1枚なのだ。


<午前中>「追憶のロスト・ハイウェイ」

◆オールモスト・ブルー Almost Blue/AOCD-1202 紙ジャケット¥2500(税別)

 これはハッキリ言って私の好みだ。60年代から70年代のカリフォルニアの風の匂いがする。このCDは青く晴れ渡った日の午前中に、窓を開け放って聴きたい。窓の外は都会のビルなどではなくて、ビーチに続く海岸沿いの邸宅街。風の吹き込む窓には白いレースのカーテンが揺れている。ジャクソン・ブラウン、ジェームス・テーラーという選曲もいいなあ。「デスペラード」もいい雰囲気に仕上がっている。
 全編を通して、ヒッピームーブメントから脱却しようともがくアメリカのその時代のサウンドをうまく再現している。やっぱり西海岸っていうイメージだな。カントリーっぽい曲もあるが、ナッシュビルという感じじゃあない。西海岸、太平洋、カリフォルニア・ドリーミンって感じだ。
 ジェームス・テーラーは麻薬に苦しんだね。バディ・ホリーの「エブリデイ」なんかもコピーしていたのを思い出す。今度
オールモスト・ブルー」のライヴに出かけてリクエストしてみようか。


<昼下がり>「ヘイ・ユウ・ブルース」

◆左とん平/AOCD-1001 紙ジャケット¥1800(税別)

 知る人ぞ知る名盤中の名盤。今はこんな貴重版もCDで手軽に手に入れることができるのだなあ。良い時代になったものだ。というより「ANY OLD TIME」レーベルの発掘・企画力によるところか。
 これは夜っぽいかなとも思ったが、とん平さんのジャケットの写真がどんよりしたコンクリートの壁だったので「昼下がりに聴く」のを正しい
「ヘイ・ユウ・ブルース」の聴き方とした。
 仕事もそこそこに、真っ昼間から愛人の部屋へ行き、抱いた後に別れ話を切り出し女を捨てる。会社へは取引先を接待してから直帰すると電話を入れ、実は馴染みのバーで一杯ひっかけながら捨てた女のことを考える。そこで有線かなんかで「東京っていい街だな」なんかが流れて・・・流れる訳ないか。
 今や下丸子の落語家ミッキー・カーティスがプロデュースというのも聴きどころのひとつだ。


<仕事帰り> 「ザ・ミッドナイト・スペシャル」

◆東京ボブ・ウィズ・ネヴァー・メンディング・ツアー・バンド/AOCD-1201 紙ジャケット価格¥2500(税別)

 これは似ているというもんじゃあない!ハッキリ言ってボブ・ディランの上をいっているというか、ボブ・ディランよりもボブ・ディランらしいアーティストだ。是非ともライブをチェックしたいと思う。
 ウォール・ストリートで働く私は、激務を終え帰路につく。デリカテッセンでハムサンドをパクつきながらグリニッヂ・ヴィレッジへと向かう。入り組んだこのエリアには多くのカフェ、ライヴハウスが密集している。どこからともなくギターとハーモニカ、そしてあのダミ声が聞こえてくる。モータウンに飽きた私は、ネクタイを緩めその穴蔵のような店に吸い込まれて行った。
 こんなシチュエーションで
東京ボブ・ウィズ・ネヴァー・メンディング・ツアー・バンドを聞けたらなあと考える。東京ならどこの店が合うだろうか。
 フォークシンガーからロックシンガーへ変わりたくて変われない、ザ・バンドなんかとやるちょっと前のディランの雰囲気が何となく感じられた
東京ボブでした。個人的には「Forever Young」が好きだ。


<深 夜>「ファースト・アルバム」

◆小林万里子/AOCD-1011 見開き紙ジャケット¥2500(税別)

 これはスゴイ!恥ずかしながら私はこのカルト的ブルースシンガー小林万里子を知らなかった。ということで初体験でした。これについては、コメントよりも聴いてもらわないとどうにもならないというか、このショックを皆さんにも体験して欲しい。あまりの過激さにフォーライフが封印してしまったというのもうなずける。(ケンロードさん、本当にいいの?こんなの世に出しちゃって)
 私はこのCDを受け取った時、H氏より「必ず夜一人で聴くように」と念を押された。本当に良かった。オフィスや子供達の前で聴かないで・・・。だから深夜、できればヘッドフォンをして、歌詞カードも雑誌に挟んで向こう側から見えないようにして聴くのがこの
「ファースト・アルバム」の正しい聴き方というより、そうした方がいいよっていう私からの忠告です。
 どうしてもヘッドフォンがいやな人は、深夜、城南島の公園横に止めた車の中でお聴きください。くれぐれも音漏れによる職務質問には気をつけましょう。

※上記に紹介されたCDの詳細情報、購入につきましては、こちらをご覧ください。

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